2013年5月30日木曜日

ゲイかどうかを知る方法



ブラジルは性愛についておおらかで、ゲイの人たちも目立つ。開放的な人が多いからかも。

年に1度のゲイパレードは、サンパウロ中心部のパウリスタ通りを歩行者天国にして盛大に行われる。今年は6月2日。踊ったり歌ったりしてみんな陽気なイベントだ。

どんなものか見に行ったことがあるけど、「お兄さん、食事でもどう?」と何度か声をかけられて、ちょっとびびってしまった。1人で歩くのは何となく勇気がいる。

通っていたポルトガル語の語学学校も、先生、生徒ともにゲイが多かった。男の先生が教えていたあるクラスの生徒は、男3人と女4人。でも、そこで学んでいたスイス人の友人はいつもぼやいていた。

「『男』は俺1人しかいないんだよ」。そう。先生もほかの男2人もゲイだったのだ。

ドラマには必ずと言っていいほどゲイが登場するし、ディスカッションの練習にも同性愛がテーマの一つに選ばれる。ほとんど流行みたいだ。

日本では周りにゲイの知り合いがいなかったので最初はやや戸惑ったけど、やがて普通に友人として接すればいいのだと思うようになった。

ただ、「男同士」でよく交わす「いい女」の話をしても仕方がないので、相手がゲイかどうか知っておくにこしたことはない。

一つ悩みがあった。同じクラスのアメリカ人男性のことだ。

彼はいつも恋人のことを話すとき「namorado(ナモラド)」という言葉を使っていた。Namoradoは男性名詞。だから男の恋人を指す。女の恋人なら「namorada(ナモラダ)」だ。

問題なのは、英語には男性名詞や女性名詞が無いためアメリカ人は頻繁に間違えてしまうこと。日本語にも名詞の性別が無いので、自分もよく間違える。特に初心者はごちゃごちゃになるのが普通だ。

さて、彼は「ナモラダ」と間違えているのか、それともゲイだから「ナモラド」で正しいのか。しばらく聞き出せずにいた。

どうしたらいいものか。

知り合いのブラジル人に相談してみた。そしたらいいアイデアを教えてくれた。「恋人の名前を聞けばいいんだよ。答えがフェルナンドのような男の名前か、アンナのような女の名前かで簡単に分かる」。そうか。

ある日、彼と一緒にランチを食べる機会が訪れた。いよいよ聞いてみるかと思ったとき、彼はおもむろにほかの友人と英語でしゃべり出した。

その瞬間、はっきりと口にしたのだ。「My boyfriend」と。

やっぱり彼もゲイだった。

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