2013年7月15日月曜日

インタビューして分かったジーコの一番すごいところ


リオデジャネイロ郊外に「ジーコセンター」と呼ばれる場所がある。

そこにはサッカー場があり、建物の中にはジーコのグッズを売る店もある。リオの街を歩けば今でもジーコの顔を描いたTシャツを着ている人を見かける。やっぱりジーコはスーパースターなのだ。

インタビュー開始は予定より2時間半も遅れ、その間ずっと待たされた。カリオカ(リオっ子)らしく時間には無頓着だ。そのくせに、他人が遅れると怒るらしい。

額縁に入れられた数々の賞状が事務所の壁に飾られていた。ジーコは日本以外にもトルコ、ウズベキスタン、ロシア、ギリシャ、イラクでも監督をしていたことがあるから、いろんな国の賞状がある。

入って右側が「日本コーナー」。叙勲やら文化協会やらの賞状に加えて「ベスト・ファザー賞」まであった。日本で一番いい父親だとして表彰されたみたいだけど、日本人じゃなくてもいいんやね。

インタビューでは拙いポルトガル語での質問にもしっかり答えてくれた。

印象に残ったのは「子どものころに自由にサッカーを楽しんで満足感を得ることが大事だ」と強調していたことだ。

子どもたちにシステムやらポジショニングやらを口うるさく指示する愚かな日本の指導者たちは、この言葉を胸に刻みつけて欲しい。要はちゃんとボールを止めて、しっかり蹴る。あとはシュートを狙う。子ども時代はこれで十分なのだ。

彼は子どもたちにサッカーを教えることにも熱心で、日本の中学生チームを招いて開く「ジーコカップ」はもう15年以上続いている。

ところで、インタビューを始めてしばらくたったらジーコはそわそわし始めた。「もうそろそろ、いいかな」と打ち切ろうとする。

もう外は暗くなり始めていた。聞くと、草サッカーが始まる時間で、自分も参加したくてうずうずしていたようなのだ。

しょうがないから切りがいいところでインタビューは終わりにした。

サッカーの世界の頂点を極めた男なのに、60歳になっても草サッカーがやりたくて仕方がない。いつまでもサッカーが大好きな、子どもと同じ気持ちを持ち続けている点が、本当にすごいと思った。

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