地下鉄などで配っているフリーペーパーで、ブラジルの殺人に関する記事を目にした。
フリーペーパーは記事が短くて読みやすい。内容も身近な事柄が多いので、都会のブラジル人たちが何に関心を持っているのかがよく分かる。
目につくのが治安と交通に関する記事だ。毎日、ラッシュにもまれて通勤し、犯罪を心配しながら暮らす人たちが多いことがうかがえる。
「31年間に、若者の殺人が326・1%増加」というのが見出し。
記事によると、14歳から25歳までの若者が殺された数は、1980年が4327人だったのに対し、2011年は1万8436人になったという。4倍以上に増えたわけだ。
統計は2年前のものが最新となっている(ブラジルの殺人件数のなぞ参照)。ちなみにサンパウロはここ15年間で若者の殺人被害者数が86・3%減少しており、ちょっと明るいニュースと言っていいかもしれない。
記事には棒グラフがついており、各都市の10万人あたりの殺人被害者数を示していた。
1位は東北部の都市マセイオで、なんと111・1人。マセイオの人口はおよそ100万人なので、毎年1000人以上が殺人によって死んでいる計算になる。
ネットで調べてみると「公安と正義のための市民協議会」という団体の出典で、マセイオの年間殺人件数が1564件、10万人当たりでは世界第3位というデータがあった。
日本の昨年の殺人件数は1030件だ。人口100万人の地方都市マセイオだけで日本を上回る殺人件数が起きていることになる。
実はマセイオには2週間ほど滞在したことがある。ビーチの美しい、こぢんまりした観光地で危険を感じたことはなかった。夜中に友達とビーチでバーベキューをし、飲んでそのまま海で泳いだことも。知らないとは恐ろしいものだ。
とは言っても、「ブラジルの治安は大丈夫?」で書いたように、街全体が危ない訳ではない。
マセイオにおける殺人事件の多くは麻薬絡みで、代金を支払えない人たちが見せしめに殺される事件が多いらしい。もちろん、気をつけるにこしたことはないけれど。
来年ワールドカップが開催される都市も見てみよう。
3位 サルバドール 62人
4位 レシフェ 57・1人
6位 マナウス 56・2人
8位 フォルタレーザ 54人
トップ10に4都市も入っている。開催地にあえて危ない都市ばかりを選んだとしか思えないほどだ。ほかでは、
16位 ベロオリゾンテ 40・3人
17位 ブラジリア 37・4人
23位 リオデジャネイロ 23・1人
27位 サンパウロ 11・9人
番外 日本 0・8人
こうして比べると、日本がいかに安全な国かがよく分かる。
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