ブラジルでポルトガル語の勉強を始めたばかりのころ、先生がブラジル人の振るまいの特徴について教えてくれた。
一言でいえば、相手の体によく触る。
これは男でも女でも同じ。男同士の挨拶は握手だけど、仲良くなると肩を抱き合ったり、ハグしたりする。
相手が女性だと、挨拶でほっぺのあたりにキスをするのが習慣だ。実際はブチュっと口をつけないで、ほほを寄せてチュッと音を出すのだけど。
サンパウロでは通常、キスは1回。これがリオデジャネイロになると左右に1回ずつの計2回、チュッ、チュッとやる。
理由を聞くと「サンパウロの人たちは仕事で忙しいから1回しか時間がないんだ」。本当かなあ。
でも、のんびりしているブラジル東北部では3回以上キスするとも聞くから、やっぱりそうかもしれない。
挨拶のキスだけでなく、話をするときにも相手の肩を抱いたり、背中をポンポンとたたいたり。自分もそんな習慣が身についた。
アパートの守衛さんにも「よお、元気?」と言ってポンポンと肩をたたく。日本ではなかなかやらないよな。
ブラジル人男性と付き合っていたドイツ人女性の友人に、「ブラジル男のどこがいいの?」と聞いたことがある。すると「いつもくっついて、髪をなでたり肩を抱いたりしてくれるのがいい」との返事だった。
テレビドラマを見ていても、手をつないだり、ほほをなでたり、しょっちゅう相手の体を触っている。
日本ではセクハラ間違いないだ。
ところで、お互いに仲良くなると、女性との挨拶もキスだけでなく、ギュッとハグして再会を喜び合う。
世界を飛び回る、あるブラジル人の大学教授はこんなことを言っていた。「やっぱりブラジルの挨拶が一番いいよね。だれだって女の子とハグしたいだろ」
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