2013年7月7日日曜日

ブラジルって怖い?


昨日は「選手を刺殺した審判が観客に斬首される」記事を紹介したし、これまでもブラジル社会における暴力について書いてきた。

自分でさんざん書いておいて何だけど、「やっぱりブラジルって怖い!」といった反応を見ると、う~ん、どうかなと思ってしまう。

確かに治安は日本ほど良くないし、十分に気をつけないといけない。だけど、「ブラジルの治安は大丈夫?」の中で述べたように、場所や時間を気をつければ犯罪に遭う確率を大きく減らすことはできる。

明かりの少ない夜道を女性が一人で歩くのを避けた方がいいのは日本も一緒で、これはブラジルだけでなく、世界中どこでも同じだ。

コンフェデ杯中にたまたま知人の日本人女性に会ったのだけど、彼女は「リオデジャネイロは怖かった」と話した。宿泊した場所はコパカバーナのホテルだと言う。リオでは比較的治安がいいとされている地区だ。

理由を聞くと「ホテルを出たらだれかにじっと見られている気がした。あわててホテルに戻って外に出ないようにした」らしい。きっと「リオは危ない」という先入観があったのだろう。

サンパウロに住んでいたとき、周りからは「リオはすごく危ないから気をつけて」とよく言われていた。ところがリオに来ると、「サンパウロから来たの? そんな危ない場所によく住んでいるね。大丈夫?」と心配されるのだ。

リオのニュースがサンパウロで流れるときは、ファベイラ(スラム街)での殺人やマフィアの捜索などの事件が多い。一方、リオでもサンパウロの麻薬街や殺人などのニュースが流れている。お互いに相手の街が危険だと思い込んでいるのだ。

ところで、世界で流れる日本のニュースと言えば、地震に津波、そして原発事故だ。

だから日本はいつでもどこでも地震が起き、津波に襲われていると思い込んでいる人たちもいる。「ブラジルは地震がないから日本よりも安全だよ」としたり顔で話すブラジル人にも何人か出会った。

アフリカと言えばいまだに飢餓と内戦のことしか思い浮かばない人も多いだろうが、そんなことはなく、近代的な都市もたくさんある。ブラジル人もサッカーとビーチさえあれば満足というわけではないことが、今回のデモで明らかになったと思う。

ステレオタイプなものの見方は仕方がないのかもしれないけれど、ニュースで流れるのは現実のごく一部にすぎないことを知っておきたい。

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