2013年7月16日火曜日

夏場のJリーグとメキシコサッカー


Jリーグの秋春制移行の議論のなかで挙げられるポイントの一つに、夏場の体力消耗の問題がある。

夏季は高温多湿の気候によって選手や審判のパフォーマンスが落ち、質の高い試合が見せられなくなる。それを回避しようというものだ。

Jリーグの試合を見ていると、こんなパターンの試合が多い。

序盤からプレスをかけるために走り回り、サイドバックがMFを追い越すフリーランも果敢に試みる。

激しいボールの奪い合いとカウンターの応酬でスピード感あふれる試合展開となるが、終盤になるとパタリと足が止まってしまう。

すると中盤はがら空きとなって、全く圧力がかからず、最後は個々の能力に頼る点の取り合いになる。

夏場になると、この傾向がますます高まり、序盤と終盤とでは全く別々の試合になってしまう。

これはJリーグだけじゃなく、日本代表にも同じような傾向がある。

高い位置からプレスをかけて走り回るものの、90分続けることは不可能だ。体力が落ちた終盤に防戦一方となって失点するパターンが見られる。

90分という時間を考えて試合をコントロールし、時にはスピードを緩め、時には相手に球を回させる。リードしている状況と追いかける状況、天候やピッチコンディションによって試合の進め方を変える。この柔軟性が足りないのだ。

単調なのはトップチームだけではない。

メキシコにチーバスというクラブがあり、毎年各国のユースチームを招いて大会を開いている。

日本からも参加してメキシコのクラブと戦うのだが、いつも同じような試合展開になるという。

つまり、最初はスピードに乗って球を回して相手を戸惑わせるが、それに慣れてきた後半になって逆襲を食らうというパターンだ。

メキシコシティで国内リーグの試合を見たことがあるが、彼らは実にゆったりと球を回していた。

同市は標高2240メートルの高地にあって空気が薄いため、ずっと走り回ることは難しい。日差しが強い時季はなおさらだ。

だから、しっかりと球をキープして相手に走らせ、体力消耗を防ぐ。スピードこそないが、状況に応じた戦い方だと言える。

Jリーグの各クラブも、季節によって戦い方を変えればいい。そうした柔軟性を身につけることが、日本代表の底上げにもつながると思う。

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