友人のペルー人女性は、アメリカで働いたあと、カナダ人の男性と結婚してカナダに移り住んだ。2人の子供をもうけ、ブラジルへ。現在は再び米国に住んでいる。
彼女の母国語はスペイン語だが、英語もビジネスレベルで不自由なく話す。カナダに住んでいたのでフランス語もしゃべるし、ブラジルではポルトガル語も勉強していた。
2人の息子は、ブラジルでフランス人学校に通っていた。授業はフランス語とポルトガル語で行われていたという。父親とは英語、母親とはスペイン語で会話する。小学生にして4カ国語の使い手だ。
語学学校で一緒に勉強したスイス人は、ポルトガル語がなんと8カ国語目だという。スイス人で3~4カ国語を話す人はざらにいて、「スポーツ界トップの語学力」で5カ国語を操ると紹介したFIFAのブラッター会長もスイス出身だ。北欧の国民も語学が堪能な人たちが多い。
どうしたら、そんなに何カ国語も話せるようになるのだろう。
テレビで他国語の放送が簡単に視聴できること、母国語とほかの言語との間に共通点が多いことなど、環境に恵まれているのは確かにある。
ただ間違いなく言えるのは、彼らは一生懸命にちゃんと勉強しているということだ。
いまブラジルではポルトガル語の語学学校が繁盛しており、新しい学校も次々にできている。外国人のためのポルトガル語コースを設ける大学も増えている。ヨーロッパやアメリカから多くの生徒が押し寄せているのだ。
彼らはアルバイトや仕事でお金を貯め、決して安くない授業料を払って勉強しにやって来る。日本ではポルトガル語の電子辞書があり、文法書も充実しているけれど、彼らの多くは小さな簡易辞書しか持っていない。そんな辞書を片手に懸命に言葉を覚えようとする。
特にイタリアやスペインなどは若者の失業率が高く、就職を巡る競争は厳しい。語学を身につけて武器にすることで、少しでも仕事にありつける確率を高めようする。
要するに、多くの金と時間を語学の習得につぎ込んでおり、必死なのだ。
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