親善試合のブラジル-フランス戦はテレビ観戦。ブラジルにとってはコンフェデ杯前の最後の試合だ。
テレビの解説者はロナウド。聞いていると、なかなか的確な解説をする。スコラリ監督が就任して半年。オスカルのポジショニングについて述べ、「監督は選手の特徴を把握する必要がある」と疑問を投げかけていた。「攻撃力のある両サイドバックのマルセロとアウベスをもっと利用すべきだろう」という指摘もうなずかせる。
前半は互角の展開だった。フランスの方がパス回しが速く、攻撃にスピードがある。ブラジルは個々のキープ力の高さでボールを保持するが、フランス守備陣を崩すまでには至らない。
均衡が崩れたのは一つのプレーがきっかけだった。後半9分。グスタボが後ろからのタックルで相手を倒してしまう。だが、笛は鳴らず。フランス選手が抗議して一瞬、動きが止まった。その隙をついて球を回し、最後はオスカルが決めた。
「自分で勝手なジャッジをしてはいけない」とはサッカー選手ならだれもが知っていることだ。それをフランス代表がやってしまった。また一つ、子供たちに与える教材が増えたわけだ。
2点目はカウンター。フランスのボールの失い方がひどかった。前がかりになったところでミスから相手に球が渡り、その時点でブラジルの攻撃4人に対してフランスの守備陣は2人。エルナネスが決めて2-0。
後半ロスタイムにマルセロが倒されてPK。ルーカスが決めて3-0で試合終了となった。
終盤のフランスは足が止まって覇気のないプレーが目立った。ブラジルにとってはラッキーな形で得点が積み重なったわけだが、結果を出したのは大きい。前回のイングランド戦(ブラジル-イングランド戦を観戦した)よりは連係も良くなっていた。
スコラリ監督就任以降の成績はこの試合まで1勝1敗4分で、勝った相手はボリビアだけだったから、フランスに勝っての2勝目は自信を取り戻すきっかけになるだろう。フランス戦の勝利は実に21年ぶりだ。
中継の間、アナウンサーは「ブラジルには勝利が必要だ」と繰り返し、「もっとみんなで代表を盛り上げないといけない」と訴えていた。実際、世界ランキングは過去最低の22位と低迷しており、国全体でブラジル代表を応援する雰囲気がいま一つ欠けているように感じる。
そんな期待の低さを裏付けるかのような言葉を聞いて驚いた。解説者の一人が試合後、「この調子ならどこのチームが相手でも互角に戦える」と言ったのだ。
「勝てる」じゃなくて「互角に戦える」だなんて。ブラジルがそんな低姿勢でいいのかなあ。日本代表に対する言葉なら分かるけど。
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