2013年6月6日木曜日

サムライブルーに「ブラジル人」がいない


日本代表が世界で最も早くワールドカップ予選を勝ち抜いて出場権を獲得したニュースは、ブラジルでも盛んに報じられた。

テレビ局グローボは現地の埼玉スタジアムにリポーターを派遣し、試合内容だけでなく屋台やスサタンドの観客の様子も伝えていた。午後8時30分のニュースではトップで報道された。

新聞各紙もネットで写真付きで速報している。コンフェデ杯の開幕戦でブラジルと対戦することもあって、関心は高いようだ。

もちろん、日本との関わりが深いこともある。スター選手ジーコが鹿島でプレーしていたことはだれでも知っているし、彼は2006年ドイツW杯で日本代表も率いている。

前回大会のブラジル代表監督は磐田でプレーしていたドゥンガだった。現代表監督スコラリは2002年日韓大会で優勝しており、一時は磐田を指揮していた。

いまの代表FWフッキはフロンターレやコンサドーレなどでプレーした経歴があって、日本ともなじみが深い。当然、カズがサントスでプレーしていたこともよく知られている。

日本から来たと言えば、だれとでもサッカーの話で盛り上がることができるのはうれしい限りだ。日本チームがブラジルの国旗をあしらったTシャツで祝っている写真を載せたグローボ電子版には、「おめでとう!」「ようこそブラジルへ!」といったコメントがたくさんついた。

Folha de São Paulo紙はあらかじめ準備していたようで、日本代表のW杯写真特集をネットに載せている。ジーコだけでなく、稲本、玉田、闘莉王らのプレー写真が並んでいて懐かしい。南アフリカ大会でパラグアイに敗れたPK戦の写真もある。

グローボで面白かったのは、試合前日の記事だ。「日本はブラジル人がいなくても、引き分ければW杯へ」という内容。1998年の呂比須、2002年と06年の三都主、2010年の闘莉王の名前を挙げ、帰化したブラジル人たちが日本代表に貢献してきた経緯を説明している。

そう。今回の日本代表には帰化したブラジル人がいないのだ。

「日本サッカーの進化と下部組織からの育成によって、日本の発展にブラジル人の助けがそれほど必要ではなくなっている。また、いまは多くの日本選手が欧州でプレーしており、それによって多くのことを学んでいる」というジーコの分析も載っている。

海外で活躍する選手たちを説明した上で「ほかのメイド・イン・ジャパンの商品と同様に、日本はサッカー選手も輸出するようになった」との記述さえある。

日本サッカーの進化が、ブラジルを通じて感じられるのはうれしい。

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