2013年7月19日金曜日

ブラジルのサッカー中継は容赦ないから面白い~リベルタドーレス杯決勝


リベルタドーレス杯決勝第1戦のオリンピア(パラグアイ)-アトレチコミネイロ(ブラジル)戦は、ホームのオリンピアが2-0で勝ち、南米王者に向けて大きく前進した。

前半はアウエーのアトレチコがやや押し気味で試合を進めたが、オリンピアは少ないチャンスを確実にシュートに持って行き、相手を脅かす。

そして前半23分、オリンピアのアレハンドロ・シルバがドリブルで右サイドから内へ切れ込み、DFをかわして左足でシュート。ゴール右下へ決めて先制した。

アトレチコはロナウジーニョが不調だった。ボールに絡む回数が極端に少なく、球を持っても簡単に奪われる場面が目立った。パスミスもあり、チームのリズムを崩していた。

解説者は容赦なかった。「ロナウジーニョは完全に試合から消えてしまっている」と厳しく批判。後半20分に途中交代したときも「ピッチ上で最も悪い選手を交代させた」と斬って捨てた。

ロナウジーニョのパス本数はわずかに11。確かにパフォーマンスは悪かったが、決勝までチームを引っ張ってきた立役者だ。

ここ21試合で途中交代は1回だけの中心選手であり、FIFA最優秀選手に2度も輝いたスーパースター。それをためらいなく批判できるのは素晴らしい。

たとえば日本戦で香川や本田が途中交代したとして、「ピッチ上で最も悪い選手だった」と言える解説者はいるだろうか。

アナウンサーも冷静だった。1点リードされて試合が進んでも「0-1の敗戦なら受け入れられる」と伝えていた。確かにそうで、1点差の敗戦なら次週のホームでひっくり返す可能性は十分にあった。

すべての試合を「絶対に負けられない戦い」なんて煽ってばかりの日本のテレビとは大違いだ。

試合は終了直前のFKで失点して2点差をつけられたアトレチコミネイロにとって、かなり苦しい状況となった。

ただ、準決勝も同じような展開だった。第1戦は0-2で負けたが、第2戦のホームを2-0で制し、PK戦の末に決勝進出を決めている。

アナウンサーは最後、ブラジル視聴者に向けて英語でこう呼びかけて励ました。

Yes,we can!

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