2013年7月3日水曜日

ワールドカップやオリンピックの食事事情


コンフェデ杯のピッチをぐるりと取り囲む看板を見ると、世界のトップ企業がずらりと並んでいた。

ワールドカップやオリンピックは世界中の視聴者が見ていて、企業名をアピールできる大チャンスだ。だから巨額のスポンサー料を支払って宣伝する。

VISAカードやジョンソン&ジョンソン、エミレーツ航空、アディダスなど世界的におなじみの企業だけでなく、コンフェデ杯ではブラジルの企業も頑張っていた。Itauは銀行で、Oiは携帯会社だ。

ソニーやヒュンダイ(現代)といったアジア勢も顔を見せた。「中国・英利」というのは、YINGLIという太陽電池の会社のようだ。

中国のサッカーファンは人口が多く、視聴者へのアピール効果が期待できるのだろう。中国人記者の姿もあちこちで見かけた。これからは中国企業のスポンサーが増えるかもしれない。

ここには一定のルールがあって、原則的に1業界につき1企業。つまり、同じ自動車業界のトヨタとフォードが同時に同じ大会のスポンサーになることは基本的にない。

ちなみに飲食関係は、清涼飲料がコカコーラ、ビールがバドワイザー、そして食品がマクドナルドだった。

スポンサーの権利は絶大で、同業他社のマークがテレビに映ることは許されない。だから、飲食物の持ち込みは厳禁だ。たまにペットボトルの水はオーケーというチェックの緩いゲートもあったらしいけど、外のラベルをはがされたと聞いた。

この「スポンサー様」のせいで困ることがある。ワールドカップやオリンピックの長期間取材で大切な食事だ。

スターバックスは入っていないから、2010年のW杯南アフリカ大会では、観客も自分も震えながら冷たいビールを飲んでいた。

観客はまだいいけれど、オリンピック取材では報道陣は朝から深夜まで会場やプレスセンターに缶詰ということも多い。毎日毎日、マクドナルドというのはきつい。

記者用にビュッフェが設けられることもあるが、値段が高かったり、おいしくなかったり。

北京五輪では、あまりに高くてまずかったため、中国記者団が猛抗議し、直前でちょっとだけ改善された。それでもほとんど利用者がおらず、少なくともプレスセンター内では世界に冠たる中華料理の名が泣いた。

コンフェデ杯でも記者用のビュッフェはあったが、1食30レアル(1500円)。コーラはスタジアム内と同じ、1本6レアル(300円)だ。

これが1カ月も続くといい加減、うんざりする。

「マクドナルド様」の紙袋の中にほかの食べ物を忍ばせて会場に持ち込む連中が出てきても、そりゃそうだなと共感するのだ。

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