2013年7月27日土曜日

ブラジルを訪問したローマ法王に八つ当たり


いまリオデジャネイロにローマ法王が来ている。「世界ユースデー」と呼ばれる青年カトリック教会の大集会があり、それに参加するのだ。

世界中から集まっている参加者は数百万人とも言われ、警備は厳重。法王が訪れる地区は完全封鎖されてしまった。

自分の住居はその地区内にある。おかげで、リベルタドーレス杯からリオに戻ったものの、家に帰ることができない。タクシーで近くの地下鉄駅まで行ったが、特別なパスがない限り乗ることはできないという。

ほかのタクシー運転手が「住居を証明するものがあれば入れるよ」というので乗ったが、やっぱり入れてくれなかった。結局、旅行荷物を運びながら、雨の中30分以上歩いて帰るはめになった。

警備することしか考えられず、住んでいる何万人もの人たちのことまで考えが回らない。いつものことだけど、この国がやることは頭が悪すぎる。

ところで、参加者を見ていると、道を渡るときはみんなが手をつないでぞろぞろと横断していた。そんな行動があちこちで見られる。どこかカルトっぽさを感じて、宗教心のない自分からすれば違和感がぬぐえない。

宗教心に関するこんな記事をみつけた。「最も宗教的な国と最も無神論的な国ランキング」。

それを見ると、ブラジル人は85%が「信仰があつい」と答えており、57カ国中、第10位。日本は31%が「無神論」で、無神論ランキングの第2位だった。ちなみに1位は中国の47%だ。

「宗教」というものになんとなく警戒心を持つ日本人が多いのは、第2次世界大戦の影響が大きいと思う。「神国」日本は、神(当時、天皇は現人神だった)の名のもとに戦争を戦い、多大な犠牲を被った。身をもって宗教のマイナス面を体験したのだ。

世界を見渡すと、中東でもアフリカでもほとんどの紛争が宗教絡みだ。いずれも当事者にとっては「聖戦」で、神の名のもとに人殺しを正当化する。

過去をみても、カトリック教徒は宣教師を派遣した国々で虐殺を繰り返して南米を植民地にした。アメリカではプロテスタントが現地に住んでいたインディアンを根絶やしにしてアフリカから奴隷を連れてきた。平和?平等?人権? 宗教って何だろうと思う。

仏教だってそうだ。戦時中に日本の僧侶たちは人殺しについて人々にどう語ったのか、身を挺して戦争に反対したのか。そもそも僧兵が政権と対立を繰り返した歴史もあるので、「殺生をしてはいけない」という彼らの言葉もどこまで説得力があるのか分からない。

というわけで、自分は宗教についてはかなり否定的だ。今回、家に帰るのに大変な思いをしたので、ローマ法王も嫌いになった。完全に八つ当たりだけど。

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