懲りもせず選挙のことを考えてみる。
みんな、何を基準に投票したのだろうか。
「争点が見えにくい選挙」だと言われていたが、それは当然だ。昔のように右か左か、資本主義か社会主義かなどと問題を単純に2分できる時代ではない。
外交、経済、社会と世の中は複雑になる一方だ。だから、それぞれのテーマごとに有権者ひとりひとりの立場も違ってくる。
たとえば、アベノミクスには賛成するけど、原発の再稼働には反対のひと。外交の強硬路線は支持するが、消費増税には反対のひと。TPP加入には賛成だけど、憲法改正には反対のひと。
各政党や候補者のすべての政策に賛成の人なんて、宗教政党の公明党かイデオロギー政党の共産党の支持者しかいないのではないか。
ほとんどの人は政策によっては賛成できない面はあっても、行使できるのは1票しかないから迷いながら投票することになる。
その結果、原発推進には反対の人が多いのに、有権者の多くは景気回復の実績を重く見て投票するため自民党が圧勝することになる。
問題はここからだ。たとえ原発や憲法が争点にならず、経済政策を考えた末に自民党に投票した人が多かったとしても、勝った自民党は原発を推進し、憲法改正に走ることになる。
同様の問題は維新の橋下氏にも言える。
橋下氏が支持を得たのは、硬直化した大阪の行政を改革したからだ。役所の効率化を進め、お役人体質を改善したことで府民や市民の支持を勝ち取った。投票した人たちの多くは、外交姿勢や慰安婦問題についての考えに賛同したわけではない。
それなのに、橋下氏は問題を起こすたびに「民意は自分にある。文句があるなら再選挙だ」と脅している。有権者は一つのテーマだけを考えて投票するわけではないのに。
ともかく、当選した人たちも白紙委任状を手にしたと思わない方がいい。
そこで知りたいのは、もし選挙で1人2票を投じることができたらどうなるだろうかということだ。自民党と共産党に入れる人もいるだろうし、民主と維新に入れるひともいるかもしれない。自民党に2票の人も多いだろう。
2票じゃなくて、1・5票でもいい。日本人はバランス感覚があると思っているので、実際の結果よりは与野党の勢力が接近するのではないかというのが自分の予想だ。
総意に反した結果をもとに雪崩を打って一方向に突っ走るよりも健全な選択になるかもしれない。
選挙の際にマスコミ各社は出口調査をしているが、「投票した政党以外にもう一つ政党を選ぶとしたら」という質問を聞いてみたい。大学の研究でやるところはないだろうか。
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