2013年5月27日月曜日

ネイマールとバルサ、移籍発表のやりとりが面白い



ネイマールはバルセロナに移籍するのかと書いたところ、あっという間に契約が決まってしまった。

ところで、ネイマールがバルセロナ移籍を公表した経緯は、なかなか面白かった。ネットを見ていると、リアルタイムで動いていったのだ。

まず、午後10時ごろネイマールがツイッターでつぶやいた。「ここに友達や家族がいて、書くのを手伝ってくれている」と始まり、「月曜日まで待てないよ・・・家族も友人たちも自分の決断を知っているんだから」と続けた。そしてバルセロナとの契約を公表した。

すると、その1時間後。バルサの公式ツイッターが反応する。

「ツイッターなどでニュースを公表したネイマールは」というのが書き出しだ。「バルサで来季から5シーズン、プレーする」と明らかにした。

さらに「welcome to FC Barcelona!」と祝福。それを見たネイマールは、さっそくそのつぶやきをリツイートした。
ネイマールのフォロワー数は約680万人。バルセロナは約900万人。プレスリリースも記者会見もなく、ネット上の友人同士のようなやりとりだけで世界中に移籍ニュースを知らせることになった。

ネットを通じた発表で思い出すのは、柔道の野村忠宏選手の5年前の出来事だ。野村選手は選考会に敗れてオリンピック出場権を逃し、引退するかどうかがマスコミの大きな関心事となっていた。ところが、負けたあとは全く公の場に姿を現さない。結局、自身のブログで現役を続けることを明らかにした。

この時、ほとんどの記者は頭にきていたと思う。勝っているときはマスコミの前に出てベラベラ話す。なのに負けると引っ込んでしまい、ブログを通じてしか自分の考えを述べないのは、五輪3連覇を果たした偉大な柔道家としておかしいのではないか、と。

対照的だったのは、勝っても負けても堂々としていた井上康生選手。彼は五輪出場を逃した試合のあと、報道陣の前で号泣した。しばらくして気持ちを鎮めたあと、つらい質問に歯を食いしばって答え続けた。同様に野球の松井秀喜選手が人気があったのは、いいときも悪いときも常に正面から応対していたからだ。

いまはブログやツイッターという便利なツールがあるから、著名人はそれをうまく使う。スキャンダルに見舞われた芸能人は公の場から姿を消し、ブログなどで心境を報告することも多い。でも、そんな行動はみんなしっかり見ている。

橋下・大阪市長が質問の内容に「逆ギレ」して囲み取材を取りやめたものの、すぐに復活したのは、そのことをよく知っているからだろう。橋下市長もツイッターを駆使し、フォロワーも多い。しかし、それだけに頼って真正面から応対するのを避けると、信用を落としてしまう危険性があるのだ。

ともかく、ネイマールにはバルセロナで頑張って欲しい。ツイッターで「ブラジルに帰りたい」なんてつぶやきは見たくないから。


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