2013年5月13日月曜日

都会の寂しさはサンパウロも同じ


サンパウロの街を歩いていると、犬の散歩をしている人をよく見かける。休日には、3~4頭をいっぺんに連れている人の姿も。おそらく散歩のアルバイトだろう。公園も犬連れでいっぱいだ。

高級住宅街がある地区には、犬が入れるショッピングモールもある。お金持ちが犬の散歩がてらに買い物するのだろう。さすがにショッピングモールの犬連れはいかがなものかと思うけれど。

ブラジルが豊かになり、ペットを飼う余裕のある人が増えたのだろう。もうひとつ、世界のほかの国の大都会と同様にサンパウロが急激に都会化しているのも、犬が増えた原因だと思う。

もともとブラジル人は家族をとても大切にし、家族と一緒に生活するのを好む。ところが近年は状況が変わってきた。東北部の田舎ではいまだに大家族が多いが、都会では少子化、核家族化の傾向にある。特にサンパウロでは単身世帯がどんどん増えている。独り暮らしの人たちや、家族と離れて暮らす人たちが寂しさを紛らわせるためにペットを飼うようになったのではないか。

パウリスタ通りを歩いていると、時折「Abraço」と書いた紙を掲げている人たちを見かけることがある。「ハグをしましょう」と道行く人に呼びかけているのだ。だれかとハグをしたい、寂しい人もたくさんいるんだろうな、と思う。

多くのレストランは友人や知人と一緒に食べるようにできており、1人ではなかなか入りにくい。でも、これからは「お一人様」用の店も増えていくだろう。実際、マクドナルドやスターバックスはいつも混雑しているし、「すき家」も出店を始めている。大都会の寂しさを映し出す光景は、世界中どこでも同じだ。

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